大和仕立には、仏画とともに日本に伝わった「真」、鎌倉時代に宋朝の表具形式を基に生まれた「行」と「草」の3つの様式があります。これらの様式はさらに細分化されており、「真」の中には真・行・草、「行」の中にも真・行・草、「草」の中には行・草が含まれており、合計で8種類の仕立て方があります。
「真」の仕立ては、一般的に仏仕立てまたは仏表具と呼ばれます。これは、仏画(仏像、高僧像、祖師像、曼荼羅など)やお名号、お題目など、仏教に関わる書画の軸装に用いられるスタイルで、宗教的な厳粛さを持たせるためのものです。「行」の仕立ては、「大和仕立」や「大和表具」とも称されるように、日本独自の表具技術として広く用いられており、伝統的な美意識を重んじる作品に適しています。
「草」の仕立ては、「行」の柱幅を狭くした形状を特徴とし、特に茶道の掛け軸(茶掛け)として多く使われる様式です。茶掛けは、茶室の雰囲気を演出する重要な要素であり、季節やテーマに合わせた「草」の仕立てが選ばれます。これらの伝統的な仕立て方は、日本の文化や美意識を反映しており、作品の内容や用途に応じて使い分けることが求められます。